最後の宝珠


結界をくぐってもそれといって景色は変わることはなかった。
ただ、他人を避けるためのものらしい。
景色は変わらなかったが、魔力は外の倍の圧力で二人を襲った。
かなりの恨みがこもっているらしく、それは重くてじっとりとしている。

「・・・同じのは景色だけかよ・・・」

流石のシンも苦笑する。あまりいい気はしない。

「・・・ここは敵の手の中だぞ・・・。
油断はするな・・・・」
「してても、しなてなくてもかわんねぇよ」
「・・・それはそうだが・・・
もう少し緊張感を持った方が・・・」
「こんなところで緊張してどうするんだよ。
ただでさえ、嫌な雰囲気なのに・・・・」

更に森の中を進んでいく。
結界の中から道は分かりやすいものとなっていた。
まるで向こうから、導いてくれているようだ。

「・・・なんだあれ?」

しばらく進んだところに、石が一つおいてあった。

「・・・『ようこそ、勇者達よ・・・・。二つに道が分かれている。一人ずつしか入れない。
我らそこで待つ』。
なるほど・・・ね・・・・」
「別々に行けってことか・・・」
「そのようだな・・・。
・・・・面白い・・・・。
では、シンはどちらをいく?」

道は二つに分かれていた。
流石に、ここまできて迷うことはあるまい。

「そうだな・・・・。
んじゃ・・・・こっちで・・・」

シンは右を選んだ。

「・・・・そうか・・・・では私はこっちに行く・・・
気をつけろよ。」
「それはこっちのセリフだって。無理すんなよ。
あっそうだ・・・。
・・・・お守りにもならないけどこれやるっ!!」

シンが首にかけていた、クロスのネックレスを雅に向けて投げる。
かなり昔のものらしい。
雅は一通り眺めてから顔を上げた。

「・・・いいのか?」
「・・・・あぁ、もってけ。」
「・・・・では・・・。
私からもこれをあげよう」

雅は、勾玉を取り出した。

「これは一時的に魔力を増幅させる・・・
・・・・これで宝珠を思いっきり使えるだろう?」
「・・・・本当にもらっていいのか?
雅は・・・・」

シンは嬉しそうだった。

「勾玉に頼るほど私は弱くない。
・・・交換・・・・だ。
これも、なかなか魔力がこもっているしな・・・。
でも、絶対それ返せよ。
師匠にいただいたものだ」
「俺だって、それ親からもらったんだよ。
雅こそ返せよ!!」

そこまで言って二人は苦笑した。

「・・・またここで会おう・・・・」
「あぁ・・・」

雅は、後ろを向いて、歩き出した。
ここからは、結界が道案内してくれるらしい。
シンも進み始めた。
二人の目の前には二つの岩肌があった。



《・・・・きたか・・・・。
本当に運の良い奴め・・・》

光の中で誰かが宝珠に向かって話している。
何年振りだろう・・・ここにニンゲンがきたのは・・・・。
・・・まぁ、誰がきても、殺すのみ・・・・だが・・・。

《・・・・ニンゲンか・・・・。
久しぶりに骨のあるやつかと思いきや・・・。
ただの阿呆か・・・
・・・向こうに行った巫女の方がよかったかも・・・》

闇の底で声が響く。

《・・・運動にもならないか・・・・》


「・・・・・おっ、この洞窟か・・・?」

「・・・・ほう・・・洞窟か・・・。」

目の前には洞窟があった。
この中から強い魔力がひしひしと伝わってくる。
ここにある宝珠を取ればそれで全てが終わる。

『・・・行くか・・・・』

迷っていてもしょうがない。
遅くなったらまた相手に冷やかされる。
二人は洞窟の中に入っていった。


    

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