現パロに罪悪感などお持ちの方は画面消してやってください。
人物設定、お家柄、詳しい対立状況などは特に重要視しないでください。
管理人が勝手に『このキャラっぽい』で。
鳳珠締めです。。(好きキャラにも多数、本編パロ、管理人の愛により)






光がさしこむ教会。
席に収まった全ての人々が黙って見守る中、式は始められた。

牧師の前には新郎と新婦が並んでいる。

「新郎楸瑛、貴方は、妻を一生愛する事を誓いますか」

ドラマでも本でも良く聞く台詞。
でもやはり生を見るのは何十倍もその言葉に重みがある。
しんとした空気の中、新郎の楸瑛は答えた。

「・・・・・はい」

牧師は一つ頷き、俯いている新婦を見る。

「新婦、貴方は夫楸瑛を一生愛しつづけることを誓いますか」
「・・・・・・・・・・」

重みがある故、中々答えられない。
愛しつづける自信はある。
非の打ち所がない彼は見ていて素敵だと思うし、一緒にいて楽しい。

だが、まだここまで来て引っかかるものがあった。
ずっと思い焦がれてきた彼の姿。

・・・ここまできて、何を躊躇する?

自分に言い聞かせ返事をしようと息を吸う。
・・・もう、正直に生きるのはやめにすると決めた。

さよなら

「・・・・は・・・・」

バンッ、と静寂を打ち破る扉を開く音。
の言葉もそれにかき消された。
一同が後ろを向いた。そして、突然登場してきた人物を凝視した。
・・・・凝視したというか、正確に言えば彼から目が離せなくなった。

光を背に現れたのは絶世の美形。
垂らしてあるままの長い髪は美風に揺れ、容姿は思考もぶっ飛ぶほどの美しさ。
その微笑だけで辺りに花が咲き、睨まれれば動けない。
声を出そうにも、動こうにも思考回路が停止していて思うように動けない。

「・・・鳳珠・・・」

驚きと嬉しさにポツリとの口から漏れた彼の名。

「迎えに来た」

教会内に響く、美声。
賛美歌よりも美しいその声は、ここにいる人々の心を癒す。
内容的には癒されるどころの騒ぎではないが、誰も反論はしなかった。いや、出来なかった。

ポンと背中が押された。
後ろを見ると微笑している夫になるはずの彼。

「行きなさい」

小声で囁かれた優しい声音。

「その方が貴方の幸になるでしょう。
私は正直貴方に満足させられるような人生を送らせる自信があるませんので」

彼なら、きっと素敵な未来が待っているはず。

そう言外に含んだ言葉には目を伏せた。

「・・・ごめんなさい」
「いいえこの方がいいのですよ。貴方にとっても・・・・・・」

私にとっても。

は一歩踏み出した。
動けばあとは足が勝手に走り出した。
そして彼の胸に飛び込む。

「・・・鳳珠っっ」
「丁度いいタイミングだったな。
さて、行くか・・・。
とっとと出ないと後でややこしい事になりそうだから・・・」

の手を取りそのまま外に走り出す。
そのある意味ロマンチックな瞬間を誰もが一言も発さずに見逃してしまった。
そしてたっぷり一分が経過してから牧師がポツリと呟いた。

「・・・・さて、これからどうしましょう」

また教会に静寂が訪れた。


そのまま教会の前に止めてある鳳珠の車に乗りこむ。

「・・・まさか・・・本当に来てくれるとは思わなかった」

まだ少し切れている息を整えながらは運転席にいる鳳珠に行った。
彼はいつもと変わらぬ、不機嫌そうな顔で言った。

「来て欲しい、と言外に訴えてきたのはお前の方だろう」

不機嫌なのは表情だけで、声音は妙に楽しそうだった。

あまりの事でまだ心臓がドキドキしている。
そして、面白さと緊張に気分が高揚している。

「本当に・・・大丈夫かな・・・」
「藍家のことか?気にするな」

鳳珠も黄家に属する大貴族であるが、それよりも高家なのが藍、紅、そしてこの国を統べる紫。
その藍家の嫁をさらったのは大きな枷になるだろう。
しかし、彼は対した事もないように言う。

が心配する事は何もない。ずっと私の傍にいろ。
何からでも守ってやる」

その言葉は、絶対の自信。
不変の誓い。

は彼がこの国でもずば抜けた才能を持っていることは知っている。
それは紅、藍家の当主とも劣らないくらいに。

彼は国のためにその能力を遺憾無く発揮しているが、それを私利のために発揮したら・・・
・・・・想像もつかない。というかしたくない。

こんな美形にこれほどまでの事を言われて落ちない者がいようか。
は今更ながらほぅ、と彼に酔っていた。

視線を感じたのか彼はふとこちらをみて微笑した。

「中々、そのドレスも似合うな。
綺麗だぞ」
「・・・・っ」

この微笑にいつも負ける。
この微笑を一人占め出きるのかと思えば物凄いことだと思うが・・・それでも幸せなことには変わりない。
は今やっとそのままのウェディングドレスで来てしまった事を思い出した。

「・・・・あっ、どうしよう・・・・このドレス」

勿論藍家の嫁になるというので相当高価な物だ。
鳳珠はきっぱりと言った。

「ほっておけ、どうせそれ一着で騒ぐ家でもあるまい」

送り返したらそれこそ嫌味である。
は境界のことを思いだした。

「やっぱり教会は良いよね。
あの後、ガーテンパーティがしたかったな・・・・。
せっかく素敵な森だったのに」
「・・・では、そうするか」
「えっ!?」

隣を見ると楽しそうな彼の顔が見えた。
照れながらもは笑った。


その後の教会といえば大きな騒ぎであった。
本人や主催者ではなく、親類その他の者たちが。

「はっ、残念だったな。楸瑛」

ざわめく会場の中、一人取り残された同僚に声を掛けたのは絳攸。

「別に私はこれでいいよ。
大体結婚なんてしても窮屈だしね。
それに・・・どう頑張ってもあの人には勝てそうにも無いよ」

確かにそうだ、と絳攸は頷いた。
今回は相手が悪かったと言うしかない。
絳攸の後にくっついてきた劉輝がため息混じりに言った。

「何やら今のは素敵だったな。
余もいつか秀麗と・・・・」

劉輝のその言葉に部下二人が黙り込んだ。

『お嬢様っっ』
『・・・静蘭ッ・・・。
ごめんなさいっ、劉輝。やっぱり私静蘭の事が・・・・っ』

・・・のような光景がありありと目に浮かぶ。

「・・・むしろ、取られる側にならないように気をつけてくださいね」
「むぅ、実際に取られた側の楸瑛にいわれたくないのだ」
「全くだな、呼ばれるこっちも暇じゃないんだぞ」

「まさかこんな事になっちゃうなんて・・・・。
あぁ、どうしましょう静蘭。今日は豪華なご馳走が食べられると思ったのに・・・。
あわよくば少し持ちかえっちゃおうかな・・・なんて思ってたのに・・・っっ」

めでたい日にこんな事を考えるのもあれだが、やっぱり本音はここである。
思わぬ自体に叫ぶ秀麗を静蘭が優しくなだめた。

「大丈夫ですよ。ちゃんとお昼ご飯はこちらで食べていけるようですし、もしこのまま中止となってもご飯は用意してありますのでいくらでも持ちかえれます。
むしろ、捨てるなんてこと私がさせませんのでご心配なく」

完璧な笑顔で静蘭は笑む。

「こういっちゃなんだけど、御祝儀も馬鹿にならないんだから・・・。
やっぱり返してもらえないのよね・・・。はぁ今月も赤字かしら」
「大丈夫ですよ、お嬢様。なんの心配も要りません」
ちゃんと後で迷惑料込みで返してもらいますから。

「・・・・ッ!?」

楸瑛の背中を寒気が襲った。

「やぁ、見事に逃げられたようだね。
見ていて面白かったよ。お前の弟」
「誰かと思えばまだ姪に認識すらされてないどっかの当主ではないか」

四人の間にバチバチっと火花が散る。
滅多に見られない紅藍家の当主のショットだが、彼らの戦いは会って三秒でデッドヒート。
旗から見れば凄い面子だが、話している内容はあまりにも大人気ない事を誰も知らなかった。

「まぁ今回は無理矢理くっつけてみたからこうなっただけだ。
面白いものがみれたから良しとするが・・・・。
そうだ、次の嫁候補はお前のところの秀麗にするか・・・」
「んなっ・・・・貴様らも一時期の鳳珠みたいなこと言いやがって・・・・っっ」

それでかなり遊ばれていた事を後に彼は知る事になったが、今度こそは二の舞を踏まないように黎深は頭をフル回転させる。

「邵可様とも血縁関係が結べるのだな・・・・良い事この上ない」
「龍蓮とも認識があるようだし、そことしても問題ないな」
「どっかの叔父さんは既にないものとして見ていいようだし・・・。
さて、早速挨拶にでも行くとするか・・・・」

ちらりと静蘭に愚痴っている秀麗を見て藍家当主はフッと笑む。
一歩踏み出そうとしたらその綺麗な黒髪の長髪をガシリと黎深が掴んだ。三人とものを。

「行かせるか、この三つ子っっ!!
ここで会ったが百年目、成敗してくれるわ」
「ほぅ、それは面白い。
こちらとてお前が目障りで目障りで仕方なかったわ」


青い空の下

時は今日も平和に流れていく。


FIN(むしろ終われ)

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