今日も日が昇る。私の一日が始まった。
今日も朝からお勤め、お勤め、お勤め・・・。
しかしそれも今日で終わって明日からは職探し。
あぁ・・・どっかにいい仕事はないかしら?


暑い日にはご注意を


彩雲国では例にみない連日猛暑が続いた。
朝廷では倒れたものが後を絶たず、現在大変な混乱状態になっているらしい。
そんな噂を聞き流しながら、 は手を動かした。

ちゃん、今日も暑いのに頑張るね〜。」
「はい、それはもう。
いくら今日で終わりだとはいえ、手は抜けませんから。」

なんたってまたお呼びが掛かるかもしれない。今の仕事先はかなりお給金がいいのだ。
その黄家でのお仕えの仕事も今日限り。また新しい仕事をみつけなくてはいけない。
・・・次またいい貰い手があるかしら?
そう考えながら手を動かした。

お給金をしっかりもらい、夏の昼間に外に出た。太陽は真上にあり、地面は熱されて陽炎がユラユラ揺れている。
もう少し後に出てこればよかった・・・と後悔したが遅い。
家に帰るまでの辛抱だ。

倒れないように、自分を励ましながら歩いていった。
そして、黄東区の一角を過ぎようとしたところである。
誰もいないと思われたこの暑い道に誰かが向こうから歩いてきていた。

「・・・誰だろう・・・・」

このクソ暑いのに外で歩いている・・・・
仮面かぶった
・・・・変な・・・・人・・・・?


しかも歩き方がおぼつかない。よくみると壁に手をつきながら歩いていた。
なんか危ないなー。とか思っていたのだが、それが現実のものとなった。

ドサッ

あー、やっぱり倒れた・・・。
頭も思うように動かず他人事で彼の前を通り過ぎようとした。
・・・・あれ??
後ろを振り返るとさっきと同じ格好で微動だにしない。

「・・・・嘘でしょ・・・?」

あまり関わりたくないが生憎周囲には誰もいない。
はここにいた運の悪さを呪った。
しかし、呪うだけでは何も状況は変わらない。 は腹を決めて、介抱しようと男に近づいた。
熱中症で死んだと言う例はこの夏何十件も耳にした話である。
このままほっておくとこの人もその道を辿るであろう事は容易に予想がつく。

「大丈夫ですか・・・・?」

しばらく、呼びかけてみたり体を軽く叩いてみたが相手は気を失っているらしく返事はない。
手を触ってみるとかなり熱がある。

・・・熱中症かしら・・・・。

はあるだけの知識を引き出した。
教養はそこそこあるつもりだが、医療の専門的知識はほとんど皆無に近い。
確か、日陰に持っていって、水・・・。なるべく動かさないようにだけど運ぶのには少し荒っぽくなるかも。
は体はそんなに大きくないが、力には自信があった。
何とか気合で、自分よりはるかに体格のいい男を木の下まで運ぶ。

「・・・うぅ・・・重い・・・し。熱い・・・・」

彼の体はとても熱い。やっぱり熱中症なのだろうか・・・。
上から照りつける直射日光は容赦なく の体力を奪っていく。
眩暈を感じる手前でなんとか木の下までたどり着いた。 は男を寝かせて一息ついた。
この暑いのに・・・また無駄な体力を使ってしまった。
手で仰ぎながら は、倒れていた男を見た。
腰まである黒の長い髪は結ばれもせずその辺の地面に惜しげもなく広がっている。
仮面は妙な造りだが、それでもかなりの高級品。彼の着ている服もその辺の庶民のものではない。

彼を見ているうちに は徐々に嫌な予感に襲われた。
そして、この黄東区で働いている最中にこの辺のことは噂で聞いたことがある。

ちゃん知ってるかい?
そこの角の御宅なんとあの戸部尚書の御宅なんだよ。
凄い有能な官吏さんで将来の宰相候補。そして黄州からも未来の当主と声が上がっているそうだ。
ただ、顔が良くないらしくっていつも仮面をつけていらっしゃるんだよ。
奥さんもいないらしくて・・・。顔なんてどうでもいいのにねぇ。お優しくてしっかりした方なのに。
私も二十年若かったら黄尚書の御宅に駆け込んでいたかもねぇ。

確か名前は・・・』

脳内で一緒に働いていたおばちゃんの笑い声が響いた。

『・・・・・・・・・・。』

・ ・ ・ ま さ か ・ ・ ・ ・ 。

の背中に、暑いのとは別に違う汗が流れる。
血の気が退き、寒気までする。
自分が助けたこの人って・・・・・
もしかしなくても、あの超有名な黄奇人様じゃないですかっッ!?!?
このままほっておいて、死なせようものなら自分の首が飛ぶ。

えらいことになってしまった、と は我に返り朦朧とした頭をフル回転させる。
本当に熱中症ならこのままほって置くのは得策じゃないだろう。
まず冷やさないと・・・・。
は、近くの水飲み場で手巾を濡した。
戻ってきても彼の意識は戻っていなかった。
早速濡らした手拭いを当てようとしたが の手が止まる。

・・・仮面・・・どうしよう・・・。

はゴクリ。と唾を飲む。
『醜男』を評される彼の顔。命が危険なのは分かるが、かといって外せば彼の気を害さないか。
の脳内で小さい討論が行われる。
いやいや、そんなに噂されているが実際はそうでもないのよ。
でもでも、もし噂されるほどヤバイ顔だったら?もし本人が目覚めて怒りを買ったら?
駄目よ 。未来の宰相を助けるのよ。自分の命くらい安いもんよ。
そう思い、意を決して仮面に手をかけた。

は一瞬意識がぶっ飛んだ。仮面を持ったまま軽く数分立ったと思う。

『・・・・・・・・・・・・・』

思考回路がうまく働かない。
の手から仮面が落ちた。カラン、という音ではっと我に返る。
このままじゃ埒があかないのでもう一度仮面をかぶせてみる。
やっと光が収まった。

は目をしばたかせてから、思考を開始する。
・・・・今のは夢だろうか。
確か黄奇人様って顔が良くないって聞いたのだが、気のせいだろうか。
それとも別の人だろうか。しかしこれだけの美貌。噂にならないわけがない。
髪は黒く絹のような艶やかさ、頬は陶器のように滑らか。睫毛も通った鼻筋も唇も全てが完璧に整っている。
はそこまで考えてやっと気付いた。
・・・そうか、だから仮面を・・・。
確かにこんな顔で朝廷をうろうろされたら男だらけの朝廷。絶対見惚れて仕事にならないだろう。

事実、国試試験の時過去最低の合格数を出し、首になった官吏、その数三十人。
『悪夢の国試』と呼ばれるその年国試は彼の素顔と共に語られなくなったとは有名な話である。

は心臓を落ち着け、深呼吸をしてもう一度仮面の下をみてみる。
やはり、変わらないその美貌。
二度目なので少し慣れてきたが、やはり直視はできなかった。
息が荒くなって苦しそうだ。その顔がまた一層美貌を引き立たせる。
は彼の額に触れてみる。熱い。

「・・・・確か家はこの辺にあったし・・・・誰か家の人を・・・」
「・・・・うぅ・・・・・」

呻き声と一緒に彼の瞼が動く。
心臓が早鐘を打っている。第一声何を言えばいいのだろうか。

『・・・・・・・・』

目が合った。相手の方は少し驚いたようだが、直ぐに起き上がり始めた。
これには も驚いた。寝かせた方がいいが、相手が相手なので否定も出来ない。
仕方なく相手の意向に沿って、手を貸す。
まだ調子が戻っていないらしく苦しそうだ。
木に寄りかかり息の調子を整え、美麗の主は を見た。

「・・・私は・・・・どうしていた?」

その声も顔にそぐうように美しい。 は聞き入るところだったが、彼の視線を感じて我を取り戻す。

「・・・・そこの角で、突然倒れられたので応急処置に・・・と影まで運んだ次第であります。
今、即急に家人さんたちをお呼びしますのでしばらくお待ちください。
えっと・・・黄奇人様ですよね?」

本当は顔見て言った方がいいのだが、直視できない。とてもじゃないが正面から見られた日にはこっちが倒れてしまう。
の行動に不信感を覚えた奇人はやっとその原因に行き当たった。暑さと疲労で頭の回転が鈍かったのかもしれない。
故に、いつもつけている仮面を取られていることにすら気づかなかった
仮面は自分の手元に転がっていた。
・・・心の中で苦笑して、 が自分を見てもなんとか平静を保っていられることに安心した。

「・・・・いや、別に家人は呼ばなくていい・・・・。
一応、介抱しくれたようだ。礼を言う。
・・・名は?」
「・・・・えっ・・・・」

そう。私の一番の困りの種。それが名前。

昔々魑魅魍魎が跋扈していたこの土地を一人の青年と八人の仙人が共に人間が住める土地にしたのがこの彩雲国の始まり。
その仙人に由来して、この国の州には色の名称がついており、その土地を治める長とその一族は色の姓を名乗ることができる。
王族は『紫』、他にも七色の姓がある。
目の前にいる美貌の持ち主も『黄』という姓を持ち、黄家直系の男子なのだ。要するに超貴族。超偉い。

私にももともとこの色のつく名があった。
しかし、ある事情により名乗れなくなってしまった。
その話はまた後に語られることだから、今は省略。

「・・・ ・・・と申します」

姓は名乗らなかったが、彼は気にしたようすもなかった。

「・・・そうか・・・ とな。・・・また後日礼の品を送ろう」
「いえ、気持ちだけで結構です。当たり前のことをしたまでですし・・・
って、何立ち上がろうとしてるんですかっ!?
今家人の方をお呼びしますからお休みになって・・・」

この灼熱地獄の中熱中症で倒れそうになっている者が、動こうとするなんて無謀すぎる。
無理に起き上がる奇人を は必死に押さえた。
この際、しょうがない。いざとなったら実力行使で眠ってもらおう・・・

「・・・大丈夫だ・・・帰れる・・・」

口はしっかりしているが、体がついていかないようだ。
奇人の表情にも苦悶が浮かぶ。
しかし、 はそれを許さず奇人を押しとめる。少し怖かったが仕方ない。
だいたい、綺麗な肌であるが、その色は暑さでほんのり赤い。
こんな人をそのまま返すわけにはいかない。
ここから、奇人の家まで結構な距離がある。
その上、この暑いのに懲りずに仮面までつけようをしているから驚きだ。

「あー、これも駄目です。一気に暑さにやられますからっっ」
「・・・いや、しかし・・・」

実はこれがないと彼も家に帰れないのだ。家にいるときも人の前に出るときは仮面をはずさずにいる。
もし普通に出歩こうものなら家人たちが阿鼻叫喚。まさに地獄絵図になってしまうのだとか。
その理由を が知るわけもなく、結局仮面を取られてしまった。
奇人は息をついて、苦笑した。

「・・・お前には負ける・・・。
だが、家には自力で帰らせてもらう」

この騒動を広めるわけにはいかない。ただでさえ忙しい仕事を抜けてきたのだ。

「・・・なら、私もお付き合いします。
奇人様・・・とお呼びしてもよろしいでしょうか」
「・・・・・・。
あぁ・・・構わない」

少し間があったのは気のせいだろうか。
は容赦なく照り付けている太陽を見上げた。
この暑い中、本当に帰れるのだろうか・・・・。


運よく太陽が雲に隠れたので、二人は無理のない程度に進み、家の中に入った。裏口から。
自分の家なんだから、正面から堂々と入ればいいのに、と思ったが、それも無理なことらしい。
そして寝室についてやっと一息つけた。 は汗をぬぐって奇人を見た。

「・・・・悪かったな。
・・・・ケホッ・・・ゴホッ・・・」
「・・・・え・・・・?」

椅子に座ると同時に、奇人が咳をしだした。
もしかして・・・熱もあった、顔色も悪かった。
これは、熱中症なんかじゃなくて・・・。

「・・・・もしかして風邪・・・ですか?」
「・・・・・恐らくな・・・・」

このくそ忙しいのに風邪など引くとは自分もかなり落ちたと思う。
流石に四十度近く熱があったので、このままじゃ危ないと思い部下に断り帰ってきた。
家に帰ってきて緊張が取れたのかダルさと吐き気が奇人を襲う。
耐え切れず座った長椅子にそのまま突っ伏してしまった。
はただ事ではないと、瞬時に理解し、立ち上がった。

「えっと・・・本当に家の方呼んできますから・・・
あの・・・とりあえず、着替えて・・・私は氷を・・・・。」
「・・・待て・・・家の者は呼んでくるな・・・・」

弱々しい声で奇人が呟いた。

「・・・何故です?医者も必要でしょう・・・」
「・・・この顔を見て平常心でいられるものがこの中にいると思うか?」
『・・・・・・・・・・・・・・・・。』

・・・確かに・・・。

家人が駄目ならやはり自分が頑張るしかないのだろう。
は自分で自分に気合を入れなおした。
がとりあえず、氷でも持ってこようと扉に手をかけた瞬間、誰の足音が聞こえた。
その足音は扉の前で止まる。

「お館様、景柚梨様が参られました」
「・・・通せ」

鳳珠の声と共に扉が開く。

「鳳珠っ!?倒れたって本当ですか・・・っ!?」

扉の前にいた は思わず入ってきた男とぶつかりそうになった。
彼も自分に気付いたらしく、ぶつかる前に止まる。
見詰め合って数拍、景柚梨と名乗る者が口を開いた。

「・・・えーっと・・・侍女さんですか?」
「違います」

は、偶然出会ってここまで彼をつれてきたのだ。
侍女みたいな仕事は今からするかもしれないが、正式に雇ってもらってないし・・・そのような意味で答えたつもりだ。
が、柚梨は違う意味でその発言を取ったらしい。

「・・・ほぅ・・・。
・・・こんな若い子と付き合えるなんて、さすが鳳珠といいますか・・・」
「・・・・は?」

柚梨の発言に が固まった。
侍女ではないなら、恋人だと思ったのであろう。

「恋人が出来たならいってくださいよー。
ずっと心配してたんですからね〜」
「・・・えっ・・・違っ・・・」

奥で倒れている奇人も弱々しく否定しているらしいが、柚梨には伝わらない。
長椅子に転がっている鳳珠の様子を確認した柚梨は に振り返った。

「鳳珠の恋人さんに頼むのもなんか申し訳ないんですけど緊急事態なのでお願いしますね。
とりあえず私が鳳珠着替えさせておくので、その間に氷を持ってきてもらえます?」
「え・・・、あ・・・はい・・・」

頼まれたら断れず、反射的に返事をしてしまう。
その前に彼の誤解を解いておかなくてはいけないのだが・・・
・・・っていうか・・・さっきから”鳳珠”って・・・

「・・・あの・・・鳳珠・・・って・・・」
「あれ、鳳珠まだ伝えてないんですか?
恋人に呼ばせるほど気に入っている名前ではないでしょうに・・・」
「だから恋人違う・・・」
「なんかもうばれちゃったから言いますけど、彼の本当の名は奇人ではなく鳳珠ですよ。
黄鳳珠。
本当にあんな変な仮面をしてから改名しちゃうなんて・・・
せっかく素敵な名前なのに勿体無い・・・」

・・・そうなんだ・・・。
鳳珠、確かにあの美貌にその名前はしっくりくる。
とりあえず、柚梨の指令を思いだして、 は部屋を出た。

「いやー、本当鳳珠良かったですねー。可愛い子で。
勿論結婚するんですよねぇ」

ぐったりしている鳳珠の肩を柚梨は笑顔で叩く。
肉体的にも辛いのに精神的にも傷つけられた気分だ・・・。
鳳珠は掠れた声で答えた。

「・・・柚梨・・・お楽しみのところ悪いのだが・・・
彼女は、道で倒れたところを助けてくれただけで、恋人どころか初対面だ・・・」
「・・・はい?」
「お前の早とちりだ。残念だったな・・・」

チッと柚梨は聞こえるように舌打ちし、鳳珠の着物を探りにいった。

なんとか厨房で氷と桶を手に入れ来た道を戻る。
あまり顔は見せないが、鳳珠は家人達に良くしているらしく、鳳珠が倒れたと聞いてすぐに氷を用意してくれた。
後で薬を届けるという。
色んな人と出会ったが、 を不審に思うものは一人もおらず良い人はちゃんと挨拶もしてくれる。 も愛想よく会釈して通り過ぎた。
・・・この邸色んな意味でいいのだろうか。それほど安全ということなのだろう。
は氷入りの桶を持って来た道を急いで戻る。

あと一つ角を曲がれば鳳珠の室の手前であった。
は早足で歩いているので角の近くに人がいることに気付くのが遅れた。

「・・・・きゃっっッ!」
「・・・・!?」

は水をこぼさないように全神経を集中させた。
そして落ち着いたところで礼をする。

「申し訳ありません、急いでまして・・・」

顔を上げたところで は絶句した。この人ただの家人ではない。
髪はきちっと結い上げ、着物もその辺の人が着ているものとは違う。
誰か分からないけど偉そうだ。絶対、黄尚書の知り合いか誰かだ。

「・・・氷に、手巾・・・。
ほ・・・じゃなくて奇人になにかあったのか?」

呼び捨てで彼の名を呼ぶと言うことからやはり偉い人らしい。
そう考え、 は口調を改めた。

「はい、風邪の方を召さたらしくて・・・」
「ほー、やはり夏風邪は馬鹿がひくもの・・・か・・・。
室まで行くのだろう?私もついていく」
「しかし・・・」
「・・・大丈夫、彼とは親しい仲なんだよ」

怪しいが、彼の言っていることは間違いではなさそうだ。

「あの・・・失礼ですがお名前を・・・」
「紅黎深だ。」
「紅黎深様でございますか。
大変失礼いたしました。
・・・・・・え・・・・・?」

最後の疑問詞は本人には聞こえないくらいの大きさで発せられた。
・・・・待って・・・・紅黎深って只今紅家の主じゃないですかっ。
なんでこんなところにいるのよ・・・・。
はしずしずと黎深のあとをついていった。

紅黎深と言えば・・・記憶が正しければ吏部尚書のはずだ。
今も本当は仕事中だと思うが・・・見舞いに来てもいいのだろうか。
それを言ってしまえば柚梨もなのだが・・・

扉を叩くことなく黎深は躊躇いもなく鳳珠の部屋の扉を開けた。
その仕草に は呆気に取られる。流石紅家というか・・・唯我独尊。
中にいた柚梨は驚き、鳳珠は目を細める。明らかに嫌そうな感じだ。

「『あの奇人が倒れた』という噂を耳にしたものでな。
見舞いにきてやったぞ」
「帰れ。」

親しき仲にも礼儀ありという言葉は彼らの間にはないらしい。
そもそも『親しい』という関係など彼らの間にあるのだろうか。
扇をばっと広げて長椅子に座る姿は主よりも主らしい。いつもは反論する奇人だが、今はその力もないようだ。
は、しずしずと室に入った。なんか部屋の空気がおかしい。

「・・・氷をお持ちいたしました」
「あぁ・・・ありがとう。
そこにおいておいて」

奇人の変わりに柚梨が答える。
黎深は扇を広げ、鳳珠をみた。
本当に苦しいらしい。いつも隙なく続く言葉も今はない。

「本当に、ヤバイみたいね。
大丈夫か?」
「失せろ。
寝ればすぐに治る。・・・うつされにでもきたのか?
暇な奴だ」
「夏バテとやらではないのか?」
「只の風邪だ。
私がそれごときで倒れるか」

・・・先ほど熱中症にかかりかけてお倒れになりましたが・・・・。
は内心そう突っ込みとりあえず、何をすればいいのか激しく迷った。
・・・なんだ・・・。と紅尚書は残念というかつまなさそうに後ろを向いた。
せっかくいじめにきたのに相手がへばっていては何も楽しみはない。

・・・・いや、しかし・・・・。黎深は、ちらりと を見た。
柚梨は別としても仮面外した状態で侍女を室に入れるなんて珍しい。
しかもちょくちょく遊びにきているのに自分の顔を知らないという家人も珍しい。
仮面をはずした状態で中には入れるということは、それなりに気を許す相手だろうし・・・。
・・・まぁ慣れでもあるけど・・・。
仕えてすぐの娘を中に入れるなんてこと鳳珠がするはずはない。
この娘・・・・どこかで見たことある顔・・・というより、似た奴をどこかで見たのか・・・?いや・・・。
黎深は目を細めた。

「・・・そうだ、景侍郎、あと・・・君・・・」
と申します」

・・・
黎深の中で何かが繋がりかけていた。

君、少しはずしてくれてもいいかい?
鳳珠と話がしたい。」
『はい。』

先ほどとは違って真面目な顔になった黎深は私たちに向き直った。
指示の通り私たちは外に出た。


「・・・・えっと・・・・ さんでしたか?
先程は妙な勘違いをしてしまって申し訳ない」
「いえ、気にしておりません」

緊張しなくてもいいですよ。と柚梨は穏やかな人のよさそうな顔で言う。
本当に良い人そうだ。

「えっと、大体の経緯は鳳珠から聞きました。
何やら危険だった状態から助けてくださいまして、ありがとうございます。
鳳珠は次の時代の政をするにあたって欠かせない人物ですので・・・。
本当熱中症でぶっ倒れるなどあってはならないことなのですが・・・」

何で軒を使わなかったのだろう、という疑問が浮かんだがそれは治ってからでも聞いてみよう。
柚梨は深々と頭を下げた。

「戸部一同、貴方に感謝を・・・」
「いえいえ・・・そんな当たり前のことをしたまででして・・・。
顔上げてください。柚梨様・・・」

一度見捨てようとした悪い奴でごめんなさい。
内心そんなことを思いつつ、 は柚梨を見る。

「そういえば・・・柚梨様は・・・黄尚書の部下・・・なんですよね?」
「私なんて柚梨でいいですよ。そんなにかしこまらずに。
私は十年近く彼との付き合いで今は守役を務めさせていただいてます」
「あの・・・お忙しいとは思うのですが・・・朝廷を抜けてきて良かったのですか?」
「あぁ・・・。鳳珠が倒れて人員も少なく・・・
公休日を前倒しして今日は戸部の仕事を休みにしました。
特例ですけどこの状況ですから・・・主上も認めてくださいましたし・・・」
「・・・主上・・・」

はたった一人朝廷に残された青年のことを思い出していた。


「・・・誰だあの娘は・・・」

とりあえず、腐っても病人なので鳳珠は床につく。
黎深はその辺の長椅子に座って、自分で茶を入れた。

「暑さで倒れ掛かっていた私を助けてくれた恩人だ・・・・。
仮面とられたついでに、何とか使えそうだったのでここまで手伝ってもらったのだ。
それ以上もそれ以下でもない」

しれっと答える鳳珠に黎深はつまらなさそうだ。
まぁ、本題はそこではない。

「あの娘・・・見たことはないと思うが、どこかであの顔を・・・・」
「・・・やはりそう思うか・・・・。
』なんて名・・・そうそう聞かぬ名だ」

しかし、噂か何かで・・・自分たちとはまた別のところで聞いたことがある。
脳の記憶としてどうでもいいところに突っ込んである・・・そんなところから引きずり出すのは難しかった。

「・・・何か・・・
あっ、そういえば聞いてくれ。うちの秀麗が国試を受けてくれると絳攸から連絡が入ってねぇ。
あぁ・・・・新しく出来る女の官吏・・・。
絶対虐められないようにこの私が見張っておかなければな。
私の目の黒いうちは一人たりとも虐めさせん・・・」

既に姪馬鹿を発揮した黎深に鳳珠は内心ため息をついた。
話題がガラリと変わる辺り、 の事は黎深の脳から遠く隅っこに追いやられてしまったのだろう。
彼の頭の九割は身内の事しか入ってない。
本当にこいつ何しに来たんだ。

「・・・勝手に言ってろ、この兄一家馬鹿め・・・」
「まったく酷いねぇ。鳳珠は・・・。
あと愛しの兄上と秀麗の間をうろつくあのくそ家人なんだが、羽林軍に勧誘されているらしい。
はっ、どうせならしごかれて骨の一本や二本折ればいいのに・・・」
「そうしたら、邵可殿も秀麗も付きっ切りで看病だな・・・」
「・・・その手があったか!!」
「・・・たとえお前が骨折ったとしても一刻ほどの見舞い止まりだぞ」

黎深の考えていることが手に取るように分かり、風邪の症状も加わって、鳳珠は頭痛がしてきた。
とりあえずこいつ帰って欲しい。

「・・・あとあの馬鹿王も未練たらしく秀麗にまとわりつきやがって・・・忌々しい」

・・・お前も人の事は言えないだろう、と反論したかったが辞めておいた。
今の状態では倍返しに自慢と愚痴を聞かされるので鳳珠は口をつぐんだ。
・・・馬鹿王か・・・。
半年前やっと王らしくなってきた現彩雲国国王、紫劉輝の顔を思い浮かぶ。
鳳珠も顔をゆがめたが、何かに思い当たった。

『・・・・・・・・・。』

同時に顔を見合わせたのはいうまでもない。
あの髪の色、流石に鳳珠には劣るがあの綺麗な顔立ち。
それと似た面影を持つ少女。

昔、一部の貴族と官吏の間に流れた噂。
元国王?華の七人目の側室の話。
絹糸のような美しい銀髪に、闇を溶かしたような黒い目。
王の側室になるまで話題にも上らなかった彼女だが王に目をかけられるようになってから彼女の噂は一部の人々の間に広がった。
王からの寵愛も篤く、他の側室やその家族の嫉妬の的となった。
しかし彼らの放った罠や兇手達を自らの手で倒し、傲慢に笑んだという。
誰もを黙らせることができる美貌、大官をも黙らせる膨大な知識、武官を圧倒する武術を持つ最強の女。

しかし、王座争いが始まった頃彼女の姿も噂も跡形もなく消えた。
そのことを不思議に思う者も出ず、直の後継者のことに関心を寄せた。

もし、彼女が王の子を産んでいたら・・・・
それが女の子だったら・・・・
何せ、他にも王には六人の息子がいた。
今更王女なんていらないだろう。
権力争いを避けるため公から姿を隠したのかもしれない。
こう考えると、 の歳から見て大体直が一致する。
・・・まさか・・・・。

、少し良いか?」

柚梨と話していて早々時間もたたないうちに、黎深が手招きした。

「なんでしょうか?」
「少し用がある。入れ」
「・・・あっ・・・はい・・・」

は全く疑いもかけずに中に入っていった。
現尚書の二人に問い詰められることになるとは知る由もない。


「・・・・何人隠し子もってんだ前代国王・・・・」
「あはは・・・・流石お二人・・・察しがよろしいことで・・・・。」

この二人に睨まれると話さざる終えなくなった。
そう、自分は先代王の第七嫡子。
自分では派手に動いていたつもりだが、後で聞けば極秘扱いになっていたらしく、ほとんど記録上存在していない。
王座争い・・・というか先代王が倒れてすぐにある者の手によって宮廷内の人が来ないところに母と一緒に軟禁されていた。
物資は定期的に運ばれてきたし、欲しいものを言えばすぐに持ってきてくれたので生活には困らなかった。

「・・・・しかし、先王が亡くなってすぐ後を追うように母も亡くなってしまって・・・・。
何やら奥の城のほうでは大変な騒ぎになっているようで・・・。
そのとき霄太師が良くしてくださって・・・・とりあえず今は外へ出るなと・・・。

そしたらあれよあれよといううちに新しい国王は決まっているは、援助金はこなくなっているはで・・・このような生活を・・・」

別に、お金がなかったわけではないが、何もせず一人で家にいるのはなんともいえぬ寂しさがあったので城下に働きに出たのだ。
母に色々外のことを教わっていたので中々役に立った。

「・・・なるほど・・・な・・・」

の話に間違いはないのだろう。辻褄が合う。
ただ、これだけ騒がれるはずの側室が一部の人にしか知られてないのと、忽然と消えたのに騒ぎにならなかった事に疑問が残る。
紅家当主の黎深ですら、詳しいことを知らない。まぁ興味もなかったのだが。

しかし・・・
あのジジイ・・・そこまで手を伸ばしているとは・・・・。
『霄太師』の名前が出た瞬間、二人の顔が曇った。
何せ王の次に今一番権力を握る三師の一人。
実際にはまだ見下されている王をはじめ、政にかかわる人から言わせれば『食えないジジイ三人組』。
っていうか、とっとと隠居しろ。とまでいいたくなるほどの食わせ者。

鳳珠の顔にうっすらと笑みが浮かぶ。
秀麗のことは全く心配していなかった。
何もしないでも彼女は上位に入ってくるだろう。
しかし・・・優れた人材を埋もれたままにしておくのはあまり好きではなかった。
ついでの機会に・・・。

「・・・ 、お前・・・学問については少しかじっているか?」

学に武術にたけた自尊心が高い人物の娘だ。いくら娘であろうと教育していないわけがない。
しばらく黙っていた鳳珠が不意に発した言葉に はなれてきた体をまた緊張状態に戻す。

「えっ・・・はい・・・多少・・・」
「では・・・・。
その机においてある本・・・読んだことはあるか?」

机・・・・・?
分厚い歴史書・・・であろうか。それが一冊机においてあった。
少し考えてみたがやはり見覚えがあった。
読んだことある。
しかしそれは凄い難しい本で、解読するのに一年かかった。

「まだ、こんなもん読んでたのか・・・」

黎深が呆れて返す。鳳珠は無視した。

「・・・えっと・・・あります・・・けど・・・」

おずおずと が答える。
・・・やはり・・・。
黎深は横目で を見る。何もない顔をしているが内心物凄い驚いていた。
この本は、国試試験を受けるものの読む本だ。一般人が読めるはずがない代物・・・。
この少女は・・・いったい・・・。

「冒頭部分と、・・・・第八十七章・・・言ってみろ」
『・・・・・・・・・。』

落ち着かない。緊張が高まる。
黎深は興味深そうに を見た。

最初は緊張のせいか声が上ずっていたが、慣れてくると の口からすらすらと出てくる。
これで言えたら大したものだ。
黎深はチラリと鳳珠を見た。
風邪のせいで顔は赤いがその口元には笑み。
・・・・まさか・・・・この「奇人」・・・。
黎深は鳳珠の考えている事が思い当たり目を細めた。

冒頭部分を言い終わり、八十七章に移る。

無謀だ、と思われていたが意外にもすらすらと話す に拍手を送りたい。
試験を希望する者以上に才があるらしい。

「・・・・えっと・・・・以上です・・・・」
「・・・素晴らしい」

鳳珠の変わりに黎深が拍手を送る。
それが嬉しかったのか は照れながら会釈をした。

「五箇所・・・間違いがあったが中々素晴らしかった。
・・・あいつはお前を官吏にしたがっているそうだが・・・どうだ?
国試試験受けてみる気はないか?」
「・・・・はい??」

黎深の信じられない言葉に は絶句する。
今まで考えても見なかった。というか考えもしなかった・・・というか・・・
夢のまた夢なことをこの人は言っている。

「・・・何をご冗談を・・・」
「本気だ」

全く黎深は冗談を言っているようにも見えない。
鳳珠は少々、自分の言いたかったことを黎深にとられてしまってご不満そうだが。

「・・・いえ、しかしそもそも国試試験は女は受けられませんが・・・」
「それが、次からはそうなるらしい。
うちの昏殿が言い出した」
「・・・兄上が・・・?」

思わず兄と口に出してしまった。現王劉輝とは小さい頃良く一緒にいた。
ただ、歳が増えていくにつれ会う機械はどんどん減っていきここ数年は全く会ってはいない。
まさか六男の彼が王になるなんて夢にも思っていなかった。
時々的をつくが基本的に少し変わった思考の持ち主なのだが・・・まさかこんなとんでもないことを言い出すとは・・・。

「私も、鳳珠も賛成の立場にいる。直に公に発表されるであろう。
今回は試験的に・・・ということで高順位をとることが目的なのだが・・・・。
実際に、私の姪がその候補として推薦されている。
多分、高順位をとってくれるだろうな・・・・。
まぁ今回はそれでも十分なのだがこの男はどうやらそれだけでは不満らしくお前も推薦したいとのことだ。
なんたって、国試及第並みの学問を身につけている女なんて早々いない。
この機会を逃せば数年は、試験を受けれなくなりそうだしな・・・」

背筋が震えた。
私が・・・お忍びでなくても(っていうか城に入るのはお忍びとは言わない)城の方に入れる・・・。
しかも・・・・夢にまでみた兄たちと普通に接しあえておまけに仕事ができる・・・。
これほど嬉しいことはない。

しかし、簡単に返事はできなかった。
つらい目にあう覚悟はある。問題は・・・・

「しかし・・・私はここ数年・・・・働きに出てますので、学問の方は・・・。
国試試験を受けるだけの学力が私にはないのです・・・」

相手は何年、いや何十年も国試に向けて勉強してきた者たち。
おまけに今の時代、洗脳感で女は男よりも頭が悪い。と定義付けられていた。
女の私が、一生懸命励んだって国試なんかに受かるはずがない・・・。

「それだけ覚えていれば問題ない。
受ける気持ちがあれば早速良い師でも探してこよう。
別に私が直接教えてもいいしな・・・・」

実際、絳攸という合格者も出したことだし・・・。

「・・・どうだ・・・受けてみる気はないか?
金が問題なら援助金としていくらでも出てくるが・・・」

いざとなれば王の妹でおまけに顔見知りとくれば王からでも援助はくるだろう。
元々そうやって暮らしていた人なのだし・・・。

は悩んだ。
ここまで、身分の高い人たちと顔見知りになり、夢にまで見なかった国試試験を受ける機会がくるなんて・・・。
『王になれ』といつか母は言った。
誰よりも美しく、気高く、強い母が。
その冷たい目線はあまり好きではなかったが、自分に期待していると言う事は小さい時から感じていた。
だから、難しい勉強も辛い武術の訓練も耐えてこられた。
こんなものいくつも覚えていたところで、日常生活には何の役にも立たない。
今までしてきた努力が水の泡となる。
・・・だったら・・・。
ここまで援助してくれるといってくれているんだ。甘えないわけにはいかない。

「・・・・やらせて・・・いただけますか・・・?」
「あぁ・・・決まりだな。」

黎深がにこりと笑いかけた時だった。

「・・・ケホッ・・・・ケホッ・・・。」

鳳珠が咳き込み出した。
すっかり忘れていたがこの人は病人だった。
四十度の熱があるのなら寝かせておかなければならない人だったのだ。

「・・・悪いな鳳珠・・・・。
のことは私から主上に伝えておくんでよろしく★」

爽やかに言う黎深に、怒りを覚えたのか気分悪いのもなんのその。
鳳珠は思いっきり起き上がった。

「貴様・・・・さっきから聞いていればおいしいところばかり・・・
私が先に目をつけたんだぞっ!?ふざけるな」

は既に傍観者として二人の様子を眺めていた。

「はっ、病人の分際で・・・。
言ってしまえばこっちのものだろう。
ということで、 は私が預かるから。」

先手必勝。病人はひっこんでろ。と言わんばかりに、勝ち誇った笑みで鳳珠を見る。
しかし、彼のほうはそれに気にした様子もなく、告げた。

「・・・ ・・・
例の、礼の話なのだが・・・・。
俺の付き人及び周りの世話をこれからしてくれれば助かる。
勿論、報酬の額はそれ相応の額にするし、国試の勉強の方も面倒を見る。
正直な話、この風邪が治るまで見ててもらえば良い。あとは勉強のほうに専念できる・・・。
というわけで、・・・・この話どうだ?」

ニヤリ。とその笑みは黎深に向けられたもの。
しかし裏の感情は読めても読めなくてもその美貌はまったく衰えずその笑みは映える。
・・・・その顔を使うのは反則ではなかろうか・・・・。

「・・・えっと・・・鳳珠様の面倒・・・最後まで見させていただきます。」
「なっ・・・」
「すまぬな。この顔を家人に見せられぬ故・・・。
柚梨にも度々来てもらうのも悪い。」

・・・・勝った。
事前に色々 に話しておいたことが良かったのかもしれない。
こうだから頭の良い奴は好きだ。
それに、ここまで働いていたのだ。
いきなり特別扱いというのもなれないだろう。
彼女によく似た人物を知ってる故の判断。
きっと彼女なら働きながらでも勉強することは可能であろう。

不満げに舌打ちしながら、黎深は帰っていった。
家では が見ていてくれるというので柚梨も安心して帰っていく。

「・・・では、本当にゆっくりお休みくださいね。鳳珠。
いつまでたっても仕事に戻れませんよ。」
「・・・わかっている。」

しかし、今日は本当に頑張りすぎたみたいだ。
頭も痛い。気分は悪い。おまけに喉もきているようだ。
ここはおとなしく寝ておこう。

「・・・そうだ、 ・・・」
「何でしょう・・・?」
「この部屋にある書物全て読んでおけ。
そしてすべて覚えろ。
何かほしければ家のものに適当にいってくれ・・・」
「はいっ。」

は、鳳珠が寝たのを確認すると、早速本棚を覗いてみた。
とりあえず、興味のあるものから読み返していく。
これから先、・・・いやこの出会いでここ数年分の運気をすべて使い果たしてしまったのではないだろうか。
でも、ここまできたから後には戻れない。
初めて本気で勉強しよう。という気になった。

確か次の試験は半年後・・・。
決意をあたらに新しいお勤め先で は本の頁をめくった。

  

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ゆっくりペースで書き直しをしていこうと思います。
少しレイアウトの仕方が変わっていくと思いますがご理解くださいませ。

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