早朝5時。
私は目覚めた。

久しぶりのちゃんとした宿でかなりぐっすりと眠ることが出来た。
おかげで大分疲れが取れた。
横ではシンが寝ている。
雅はさっさと起きて服を調えた。

「・・・・少し散歩でもしてくるか・・・」

一度起きてしまうと寝付けないのが雅だった。
そのまま、外の空気を吸いに静かな町に繰り出した。

やはり早朝なので人もほとんど出歩いていないようだ。
もう少し時間がたてば朝市なんかもあるかもしれないが、今はそのような動きは見られない。
雅は町を抜けて、何もない草原まで歩いていった。

朝の冷たい風が雅の頬を撫でる。
落ち着いて、深呼吸をする。
目を瞑る。

自然に囲まれて、精神統一はしやすかった。

「・・・・・・・!?」

何かの気配がした。
後ろに何か・・・・

しかし、その気配は一瞬で消えた。
気を探るが何の気配もしない。
雅は、その辺りを見回ってみたが、異変も気配も全く何もなかった。

『最近悪しき気に当てられて魔物が暴れているんです』

昨日ミコトの言った言葉が脳裏をよぎる。
雅は不安をぬぐいきれないまま、町に戻った。

「・・・ったく、どこ行ってたんだよ。
少し、心配したじゃねぇか」

宿に戻ると入り口の方でシンにあった。

「・・・悪かったな。
その辺の森までいってきた・・・・」

ちょうど食堂も開いたらしい。
二人はそこに向かう。

「・・・もしかしたら、性質の悪いものがこの近くにいるかもしれないな・・・」

席について第一声に雅がそういった。
シンがパンをかじりながら聞く。

「・・・へぇ・・・・。なんかいたのか?」
「いたなら、その場で退治していた。
しかし、気配を感じたのは一瞬だけ。その辺を見回ったけどそれらしい気配は全くしなかった。
獣っぽい雰囲気だったかな・・・。
しかし足跡もそれらしいものもなかった。
・・・ミコトも宝珠のせいで魔物が暴れだしているといっていたし・・・
・・・・少し気になる。」

ここの朝食はバイキング形式らしい。
雅が視線を上げると、シンの皿が嫌でも目に入る。
これほどか、とまでに積み上げられている食べ物に雅は心底呆れた。
というか一緒に食べているのが恥ずかしいくらいだ。
いくら食べても値段は一緒とはいえ、少しは遠慮するべきだと思う。

「で、どうするんだ・・・・?
退治するならしてもいいんだけど、いつでてくるのかわかんないんだろ?
俺としては宝珠が目の前にあるならそっちを優先したいけど・・・。
村に被害が出ているわけじゃないし・・・。
それに、ここには昨日の・・・ミコトだっけ?っていう素晴らしい巫女がいるんだろ?」
「・・・・まぁ・・・それはそうだが・・・」

たしかに、ミコトの力は凄い・・・凄いけど・・・。

「・・・なるべく、私達だけで倒せたらいいな・・・。
ミコトだけじゃ不利すぎるんだ・・・・」
「・・・なるほどねぇ・・・」

友情ってやつですか?
分からない気もしないけど・・・・。

シンはジュースを飲みながら、少し面白くなさそうな顔をした。

「・・・・とにかく、今後はどうするんだ?」
「・・・・そうだな・・・・。今日辺りにでも山に出向いてみるか・・・・。
実際、シンが感じるほど気は強いからな。今日は様子見程度に・・・・。
結界が張ってあるらしい」
「・・・結界・・・?
どうやって、進むんだよ。」

シンの前の皿が綺麗に空になる。

「・・・この宝珠があればなんとかなると思う。
向こうもこっちに会いたいだろうし、結界はどうにでもないと思う。
まぁ・・・拒むのであれば無理やり壊して中を探るのもいいか・・・」

雅の挑戦的な発言にシンはパンを落としてしまった。
もしかしたら、何か大事なねじをあの洞窟に落としてきてしまったのかもしれない。

「おいおい・・・正気かよ」

雅は平気そうに話す。

「まぁ・・・。
宝珠を六つ集めてから謝れば何とかなるだろう。
・・・・多分」
「多分かよ。俺怖ぇよ」

本当に雅はつかめない。
気まぐれ・・・っていえば、気まぐれ・・・。
慎重かと思えば、突っ込んでいくし・・・・。

今、シンは思った。

よくここまで彼女についてこれたな、と。色々死にそうな思いもしたけど。
雅が食後のお茶を飲んだ後であった。

巨大な魔力が現れるのを感じる。
こんなに大きいものがここまで近くに来ないと分からないなんて・・・・。
雅が音を立てて席を立った。
シンもそれに続く。まだ朝食が残っていて名残惜しいが仕方ない。

「・・・・・おいっ・・・・もしかして・・・・これが・・・・。」
「・・・間違いない朝の魔力だ。
姿が見えないのが厄介だな・・・・」

この周辺にいることは感じ取れる。しかし、姿が見えない。
シンも姿が見えない敵に歯噛みした。屋根に上って辺りを見るが、全くそのような魔物の姿はない。

「・・・・見えたかっ!?
・・・しかし、ここで戦うには分が悪い・・・・
人のいないところにおびき寄せたほうがいいな・・・」

雅は札をだし、それに魔力をこめた。
そしてその辺の家にあった、狩用の弓にその札を縛り付ける。
雅は目を閉じた。
なんとなく、気配の中で敵の全体像と位置が暗闇の中ではっきりしてくる。

「・・・そこだっ!!」

雅は空に向かって矢を射る。
矢は宙の上で止まった。シンは「おお」と感嘆の声を漏らす。
雅の矢が獣に当たったのだ。


雅はすぐに次の行動に移った。

「シン、この辺に開けたところはあるかっ!?
ここでは他に被害が出る!!」
「寺の前に広い広場がある。
人はまばらにいるけどどけてもらえば何とか!」

朝っぱらからいい運動だ。

「私はしばらくここで、あいつの相手をしている。
広場をあけろ。」
「合点承知」

シンは屋根伝いに走り出した。
とにかく町を壊すわけには行かない。
シンは大きく跳躍して一気に広場の中心に辿り着いた。
人々は突然現れたシンに奇異の視線を向ける。

「・・・・さて、皆さん。
今からここにかなり大きな魔物が来る。
危ないから広場の中に入らないでね」

シンの言葉に村人達はすぐに散った。
魔物の襲来にはなれているのだろう。
避難が迅速でいいことだ。
雅は人々の悲鳴を耳にしてわざと獣に挑発をする。

「・・・・ついて来い。
決着をつけよう・・・・・」


広場の中心に砂煙が舞う。強い風が吹く。
そして、大きな獣が姿をあらわした。
雅は広場内に結界を張る。これで外に被害はないだろう。

「・・・・貴様か・・・・さっきの魔力は・・・」

雅は自分の何倍もある獣に話し掛ける。
きっと向こうには何も通じてないだろうが。

「・・・へぇ・・・。おっきいな・・・」
「シン・・・・悪いが特攻してくれ。
私は、ここで封印の準備をする。」

雅が、お札を片手に言う。もう、戦闘体制である。
シンは言った。

「・・・あぁ・・・じゃ、久しぶりに暴れてみますか・・・・」

剣を肩に担いでシンは楽しそうに言った。
雅は呆れてシンに言う。

「・・・街のど真ん中だぞ・・・ほどほどにしておけ・・・・。
一応結界は張ったがお前が暴れすぎると壊れるかもしれない」
「へいへい・・・」

シンが大きく跳躍した。
雅の暗唱が始まった。

シンの剣についている宝珠が光る。

「『ウォン』!!」

獣の頭上からサイの水の力を使って、水を落とす。
剣の振りと一緒に、水が落ちてくる。

・・・流石に、こんな人の多いところで、アスの力使う訳にもいかな・・・・。

シンはつまらなさそうに辺りを見た。
獣はシン向かって、鋭い爪を剥く。
水の力を利用してシンは空中で方向を変えた。
獣の爪は空中で空振りする。

「水・・・?」

町のど真ん中に水柱が立った。
まず、町の中で見られない光景に人々は阿鼻叫喚だ。
そろそろ騒ぎになってきた。

「・・・・シンッ!伏せろっ!!」
「・・・・はーいっ。」

シンが伏せたのと同時に、雅の目の前に、魔方陣ができる。

「封印っっ!!」

目の前の魔方陣の中心に札をつける。
魔方陣が光る。

『グルッ・・・・ギャァァァァッッ・・・・・ッ』
「・・・・・・!?
・・・何っ!?」

確かに、獣は封印されかけているが向こうも命がかかっている。
無理矢理姿を隠そうとしているらしい。
隠されてしまったら、元も子もない。

雅はもう一枚札を出した。
これを使うにはもう少し詠唱時間が必要だ。
シンに相手させるのも駄目だ。彼まで封印してしまうことになったら意味のない。

「・・・・時空転換」

獣の動きが止まった。
雅は目を見張った。
詰まっていたものが、一気に吸い込まれるように、獣の姿は消えた。
そして雅の札は焼けるように消えていった。

・・・・今のは・・・・。

シンも驚いたようだ。

「・・・大丈夫ですか・・・・雅さん・・・・」
「・・・ミコト・・・・助かった」

ミコトがこちらに向かって走ってきた。
雅が安堵の笑みを漏らす。

「・・・ごめんなさい。変な手をわずわしちゃって・・・・。
私の仕事なのに・・・」
「いや、これくらいは対したことない。
それに、この敵は1人では対処が難しいからな・・・・」

シンも服についた砂を取りながらこっちに気がついてきた。

「大丈夫か?
怪我ない?二人共」
「・・・シンこそ、どうだ?
かなり派手なことをしてくれたようだが」
「あんなの、草原の奴らに比べれば全然。
宝珠の力を使えただけましだな」

草原では、いつ敵が襲ってくるかもわからない。
ほんの数キロ離れていても、数分程度で追いつかれてしまう。
隠れるところもないし、油断は禁物なのだ。
村の人々が集まってきた。
さっきの獣の声が引き金となったらしい。
雅はこれから出来る限り魔物退治は外でやろう、と思った。
街中ではこれでもかというほど目立ってしまう。

「・・・ミコト様・・・お怪我は・・・っ」
「ミコト様が、お守りくださったのか・・・・」

人々の目はミコトにうつる。
本当に凄い影響力だな・・・と雅は感心した。

「・・・・シン・・・・行くぞ」

役目は終わった、とでも言うように雅は退散していく。

「・・・・?
おう」

騒ぎが大きくならないうちに、この場から立ち去ったほうがいいだろう。
あまり人が多いところは苦手だ。
それに、自分達がここにいては邪魔になるだけだ。

「あっ・・・・雅さんっ」

ミコトが人ごみに紛れながらも去っていく雅の姿を追っていく。

「・・・後の対応よろしく。
私達は例の山に行くから・・・」
「なっ・・・・ちょっと待ってください

何を言っても、集まってくる人々は絶えない。
自分の気持ちとは反対に、雅たちは言ってしまう。
・・・・お礼ぐらいは言っておかなくちゃ・・・。
周りも、人々の雑音がある。
雅達の性格だから、きっともう会えないんじゃないか・・・・。
そんなのは嫌だ。

「・・・ミコト様・・・・?」

凄い不安そうな顔をしているミコトの異変に気づいたのが近くの人が恐る恐るミコトの名を呼んだ。
ミコトにはその声は聞こえていない。

「・・・・て・・・・・」
「ミコト様?」
『そこをどきなさいっっ!!』

ミコトの声に辺りは一気に静まった。
ミコトは予想以上の効果に、唖然としてしまった。
しかし、すぐに雅達の後を追う。

・・・大切な人達が行ってしまう・・・・。

「・・・・通してください。」

ミコトは人ごみをかけ分けて、雅たちの後を追った。
久しぶりに大声を出したもんだから喉が少し痛い。
ミコトの足は駆け足に変わっていた。
村にまた人々の声が戻ったのは、それから数分後のことである。

雅とシンは宿から荷物を持ってきて、山に入ろうとしていた。
山からは強い魔力を感じる。
まるで自分達を拒んでいるかのように、近づくに連れてそれは強くなっていった。

「雅・・・いいの?」
「何がだ?」
「荷物も、持ってきちゃったしまだまだ日は暮れそうにない。
一度山に入ってしまえば俺達あの村に戻れないんじゃない?」

雅はしばらく黙っていた。

「・・・そう・・・かもしれないな」

それは雅にとって初めての友達との別れ。

「いいの?一言言ってこなくて・・・」
「後悔はしていない。
それに・・・ミコトとはまた会えるような気がするのだ。
根拠はないけどな」

シンは納得していなかったが、彼女がそういうのであれば、そうなのだろうと追求をやめた。
そして、山の中に入ろうと一歩踏み出す。

「雅っ!!」

背後から声がかかった。雅は目を疑った。
雅たちが振り返ると、息を切らしながら走ってくるミコトがいた。
長い宮殿生活で体力がないのか、相当足がふらふらしている。

「・・・・ミコト・・・。
何故ここに・・・」

呼び捨てにされたのも驚いたが、よくあの人ごみから抜け出してこれたものだ。
人々の思考は、『ミコトが獣から村を守った』と考えられているため、ミコトはまた崇められるはずだろう。
そうなると、あの場から数時間は出てこられない。お人よしのミコトなら特に・・・・。
今ごろは、人々の言葉に笑顔で耳を傾けているはずだと思っていたが・・・。
そうしているはずの人物がここまで息を切らして走ってくる。
シンは苦笑した。雅の予言はかなり的中する。

「・・・・やっと追いついた・・・。
二人とも早い・・・」
「旅にはな慣れているからな。
これくらいが普通だ」

ミコトはしばらく声も出ない状態だった。
雅が水を差し出すとすぐにそれに手をつけた。
やっと息を整えてミコトは顔を上げた。
その姿はいつものミコトの姿と異なる。ここまで必死な巫女なんて見たことがない。

「本当にありがとうございます。
貴方たちがいなかったら、村はつぶれていたでしょう。
私が駆けつけるのも遅かったし・・・」
「わざわざ礼をいいにきたのか・・・」
「えぇ・・・。
それに・・・なんかこれでもう雅たちがいっちゃう気がしたから・・・・。
もう会えないような気がしたから・・・・」

雅は目を見張った。
やはり・・・分かるものなのか。
雅は苦笑しながら言った。

「・・・会えたではないか・・・。
ミコトのおかげで。
・・・私はまた会えると思っていたがな・・・・。
正直私は人から歓迎されるのがあまり好きではないのだ」

もう一日ゆっくりしていこうとも思っていたが、あの獣のことでいい区切りができたようなような気がした。
ミコトのことだから、人々には『雅達があの獣をやっつけた』とはっきり言ってしまうだろう。
雅自身もともと歓迎されるのは好きじゃない。それに尊敬の眼差しというものはあまり好きではない。
自分は全く尊敬されるような人間ではない。だから、そのようなものはすぐに振り払う。
ミコトのような存在には到底なれないのだ。

「・・・・悪かったな・・・・何も言わなくて・・・」
「・・・やっぱり、行ってしまうのですね・・・・」
「あぁ・・・
私達のようなものがミコトのところにいること自体がおかしいからな」

ミコトの目が変わった。

「そんなことありませんっ。人々は皆平等です。
私が修行していたときも、特別なことは全然ありませんでした。
この村に戻ってきて、立派なお寺を建ててもらって、いい暮らしができて・・・・。
私がなんだっていうんでしょう・・・?
魔物もろくに払えず、人々の言っていることだけに笑って答えるだけで・・・・。
私のどこが・・・・
村にはまだ貧しい暮らしの人がたくさんいるのに・・・。
私だけ贅沢しているなんて・・・・本当は私はあんな暮らしを望んでいたわけじゃないのに・・・・」
「村人はお前の気持ちを、知らずに敬い崇める。
なにか意見は言ったか?」
「・・・全て・・・笑って流されました。
でも、さっきわかりました。
流されているだけじゃつまんないですよね。
自分の考えもちゃんと通さないといけないですよね。
・・・私に自由がないんじゃない。
私が私自身に鎖を縛り付けていたんです。
自由になりたいのなら、自分でその鎖をとらなくちゃ・・・・。
そのことを教えてくれたのも貴方たちです。
本当に感謝します。」
「いや・・・・。
村にとっては大変な巫女になりそうだがな・・・」

雅とミコトは同時に苦笑した。

「はい。
でも、前みたいに宮殿に閉じこもってばかりではなく、貧しい人の家にいってできるようなことをしたり・・・・。
村人のために働いたりしたいです。
退魔術もちゃんとできるようにしたいです。
雅のようにかっこいく魔物を退治したい」

ミコトは笑った。
作り物の笑顔じゃなく、本当の笑顔で。

「それは、良い目標ができたな。
勝手に去ってしまおうとして悪かったな。
・・・・ここでお別れだ」
「・・・雅・・・・。
頑張ってください。貴方なら宝珠もきっと集められます。
また旅でこの村に立ち寄ったときは寺に顔を出してくださいね」
「・・・あぁ・・・」

話がすんだところでシンが口を挟む。

「・・・・そういや、どうやって、あの人ごみの中からでてきたんだ?
大変だっただろ・・・・」

・・・・あっ、と思い出したように、ミコトの表情が固まる。
そして、ばつの悪そうな顔でこういった。

「村の人たちに『どけろ』って怒鳴っちゃいましたvv
これから、また村に戻りますが・・・・巫女続けられるかどうかが問題ですね・・・・」

ははは・・・・・っ。と二人は乾いた笑いを浮かべる。
その可愛い容姿でそんなことをい言われたらさすがの人々もひくわよなぁ・・・・。

「・・・では、この辺で・・・」
「・・・あぁ・・・またいつか会おう」
「はい、必ず」



「・・・どうしたんだ?シン。
なにか考え事か・・・?」

山道を歩きながら雅はいった。
ミコトと別れてから、ずっとこの調子だ。

「・・・・いや、別に・・・・。
あのミコトって子、昔の俺とそっくりだったなぁと思って。
大きくなるぜ・・・・」

昔は、自分も回りの人に流されかけていた。
兄や姉の生き方を見て思った。
本当にこれで楽しいのか・・・?
自分も本当に楽しく笑えるのだろうか・・・。

ある日、なんの断りもなく家を飛び出した。
たしか、大事なパーティがあるとかいった日の前日だったと思う。
まぁ、子供の自分にはまったく関係のないことだったけど・・・・。

そして今、自分のしたことには全く後悔していない。
少しだけ、罪悪感があるけど・・・・。
鎖を断ち切るのは簡単だ。
その気があれば鎖は草を切るより簡単だ。

「・・・へぇ・・・。お前とね・・・」

どこがだ・・・?と心の中で突っ込みながら雅は進む。


しばらく行った山の中ほどで二人は止まった。
丁度二つの山もこの部分から分かれている。
右と左、どちらからも力を感じる。
そして目の前に結界があった。
空間の歪みがその証拠。

「・・・これか・・・・結界というのは・・・・」

雅が触れてみる。
それは全く雅の手を拒まなかった。

「・・・来いってことだな」
「・・・あぁ・・・・」

二人は同時に結界の中へ入っていった。
最後の試練が二人を待っていた。


    

[★高収入が可能!WEBデザインのプロになってみない?! Click Here! 自宅で仕事がしたい人必見! Click Here!]
[ CGIレンタルサービス | 100MBの無料HPスペース | 検索エンジン登録代行サービス ]
[ 初心者でも安心なレンタルサーバー。50MBで250円から。CGI・SSI・PHPが使えます。 ]


FC2 キャッシング 出会い 無料アクセス解析