「茈です。戸部から書簡をお持ちしました」
「ご苦労」

吏部で手持ちの書簡がなくなった。
開放された腕を休めるため、は大きく伸びをした。
丁度昼の休憩の銅鑼がなる。

「うーん・・・これ以上仕事いわれてないし・・・このままお昼いってもいいよね・・・」

はひょこっと吏部の中を覗いた。
その時資料室の扉が開き中から珀明が出てきた。

「珀明〜!」

の声に付き珀明は片手をあげた。
表情がもう少し待ってくれと言っている。
は頷き、外へ出た。
どうやら吏部も忙しいようだ。


珀明が吏部から出てきて一緒に食堂へ向かう。

「吏部・・・大変なようね。れ・・・吏部尚書は・・・」
「尚書は最近お見えになってないようだ。・・・お陰で吏部は仕事が終らない・・・」

は心の中で思った。
・・・お陰で戸部は絶好調なんだけどね・・・。
道理で黎深がこないわけである。
鳳珠も柚梨も仕事がはかどり最近は定時に帰れていた。
なんだか激しく申し訳ない。

「絳攸様も室から出られないし、そのせいで変な噂は立つし迷惑極まりない!」
「・・・変な噂・・・?」

は目を細めた。
絳攸に噂が立つなぞ珍しい・・・。
珀明は胡散臭そうな目でをみた。

「お前知らないのか?」
「うん」

最近自分の事で精一杯で周囲の事なんて気にしてなかった。
珀明が飽きれたように息をついて声を潜めていった。

「・・・最近・・・絳攸様と藍将軍が主上の元に行ってないんだ・・・」
「・・・藍将軍も・・・?」

前は羽林軍よりも劉輝の元に行っていたはずなのだが・・・。

「羽林軍も忙しい・・・わけないと思うけど・・・」
「どうやら休みをもらって家にいるとか聞いたな・・・。
多分、藍家の姫を後宮にいれる準備だろう・・・」

「・・・ん?」

・・・今また耳に新しい不吉な事を聞いたような・・・。

「藍家の姫が・・・なんですって・・・?」

珀明は今度こそ疑いの目を向けてきた。

「・・・お前・・・本当に・・・知らないのか?
別に仕事を休んでいたわけじゃないだろう?」
「失敬ね!昨日もおとついも会ったでしょ!?」
「それもそうだな・・・。
とにかく藍家の十三姫が後宮に入るらしいぞ。
龍蓮といい、やけに藍家は積極的だな・・・」
「・・・藍家の姫が後宮なんて・・・主上の嫁になるって言ってるようなもんじゃないっ」

・・・冗談じゃない・・・っ。ってか聞いてないっ!
兄上の隣は秀麗ちゃんと決まってんのよ。
藍家なんてお呼びじゃないわ!

「あと藍将軍が・・・・・・?」
「何考えてんのよ・・・あの・・・っ常春・・・」

胸の前ではパンっと手を打った。
凄まじき覇気がから立ち上ぼる。

「・・・おっ、おい・・・・・・」

珀明の顔が強張った。
どうやら言ってはいけない事を言ってしまったようだ。

「珀明!」
「なっ・・・なんだ・・・」

逃げ腰気味で珀明が返事をする。

「明日休みよね!」
「僕は仕事だ」

・・・殴り込み、決・定。

「そうなったら色々証拠集めにいかなくちゃ。
最近時代に乗り遅れすぎよ、私!」
「・・・人に迷惑だけはかけるなよ・・・」
「さてそうと決まれば腹拵えよ!」

聞いちゃいねぇ・・・。
珀明は追及を諦めの後に続いた。



次の日。

は遠くから見ても絢爛豪華でどこの邸が一目で分かる家の前にいた。


「突然のご訪問申し訳ありません。
私、茈と申します。楸瑛様に御用があって参りました。
・・・一応文は前もって送っておいたのですが・・・」

・・・昨日の話ですが何か。

殿ですね。
話はうかがっております。どうぞ」

衛兵に案内され、は藍家紫州別宅の中に入った。
朝廷より豪華な装飾にも周囲を見回した。
さすが・・・藍家。
寄り付かない龍蓮の気持ちも少しは分かるかもしれない。
豪華すぎて落ち着けない。

は静かな離れに案内された。
室には楸瑛一人、くつろいでいた。

「あぁ、殿。いらっしゃい」
「お久しぶりです、藍将軍。
突然の訪問申し訳ありません」
「構わないよ。突然訪ねてきても君なら大歓迎だよ。
今お茶を出すから・・・」

いつもと変わらない、ふわりとした笑顔で楸瑛は笑った。
もつられて微笑する。
しかし、訪問の目的がある以上心から笑う事は無理であった。

侍女が湯とお菓子を持ってきた。
それを楸瑛が受け取り、の前に置く。

「ありがとうございます」
「甘いものは大丈夫だよね」
「はい、好物です。
あっ、お茶淹れましょうか・・・?」

いくら客人とはいえ、楸瑛の方が身分が高いのは明らかだ。
が椅子から立ち上がろうとすると、それを楸瑛が制した。

「主上付きになってから、上手いお茶の淹れ方を学んだよ。
私が淹れるから座っていて」

・・・本当に、手馴れたものだ。
優雅な動作で楸瑛は茶を淹れていく。
はそれをじっと見ていた。
なんで鳳珠といい、楸瑛といい何でも出来るんだろう。
それが良い男の秘訣なのであろうか。
何でも出来るってのは悪いことではないが。

室に良い香りが漂ってきた。
の前に淹れ立てのお茶が出された。

「どうぞ」
「ありがとうございます」

味も濃さも完璧だ。
菓子との相性も抜群。さすが藍家(?)
楸瑛もお茶に手をつけた。

「戸部の方は変わりないかい?」
「今は仕事も少なく毎日楽に過ごしております」

楸瑛は苦笑した。
戸部は楽といっても普通の部署の倍の忙しさがある。
本当にの仕事っぷりには関心させられる。
これが男であれば絳攸においつくのも時間の問題であったのに・・・

「・・・藍将軍は・・・お休みをもらったそうですね」
「・・・あぁ・・・」

間があった。
楸瑛は、の腰にある短剣と扇に視線を移す。
そして今日着てきた着物にも。

「君も兄上みたいにわざわざご忠告しにきてくれたのかな?」
「・・・・!?」

の瞳が揺れた。
楸瑛は目を細めた。やはり自分の正体がバレているなど気付いてはいなかったようだ。
それ以前に年明けの時のことはの記憶から消えているからしょうがないことなのだが。

「・・・兄上・・・ですか?」

・・・完璧バレている。
ここまで乗り込んで来たからにはいずれバレることなのだが、少し動揺した。
しかし・・・静蘭が先に楸瑛の元にやってきている事には計算外だった。
少し嬉しくもあった。

「そう、兄上。
君達は絆が強くて羨ましいよ」

楸瑛はお茶を飲んだ。
静蘭が先に来てくれたお陰で動揺は少ない。
何を言われても覚悟は出来ている。

「・・・兄上は・・・何を?」
「『あなたが藍家を選ぶなら別にそれで構いません。早々に藍州にお帰りください。
花菖蒲の名誉も仮初めの忠誠も全て返上して』
酷い言われようだろう?
まぁ・・・あの公子様とは結構因縁があったからねぇ・・・。
事実だし、何も言い返すつもりもないけどね」

流石のも苦笑した。
確かに酷い言われようだ。
生憎清苑公子様の記憶は微かにしか残っていないので、は静蘭の裏の性格を把握しきれていないところがある。

「・・・ならば・・・私の言いたい事は大体言われてしまいましたね」


はお茶を飲み干し席を立った。
手入れされた庭を眺める。
言いたい事は既に固まっている。

「おそらくね」

楸瑛も立ち上がっての斜め後ろに立った。

「でも、私の言いたい事はそれだけではありません」
「聞こうか?」

は一息ついた。
たった少しの言葉をいうのにこれだけ勇気がいるなんて。
は振り返り言った。

「貴方は・・・“下賜の花”を何だと思っているんです?」

言葉にしてしまえば血が段々冷えていった。
そして新たな怒りが込みあがる。

「兄上を・・・主上を何だと思ってるんですかっ!?」
「・・・そうだね。
ずっと彼の優しさに甘えてしまった」

は楸瑛の胸倉をグッと掴んだ。
流石の楸瑛も目を開く。

「甘えてしまったじゃないわよ。傷つけてからじゃ遅いのよっ!
兄上は、いつも全力で、いつも真っ直ぐで・・・っ。
だから、この世で一番裏切っちゃ駄目な人なのよ」

劉輝は自分より相手を大切にする。
だからいつも自分は犠牲者。
敏感な人にだけわかるその癖。
だって彼はいつも笑っているから

楸瑛は目を伏せた。

「・・・そんなこと、ずっと前から知ってるよ。
でも、もう駄目なんだ」
「駄目なら、最初から花なんて受け取らなければ良かった!
大人でしょっ!?自分の責任くらいちゃんと最後まで果たしなさいよっ。
ふざけてんじゃないわよ。
それで藍家の直系を名乗るなぞ、笑わせるっ!」

その瞬間、頭より体が割きに動いた。
パンッと乾いた音が響く。
一拍遅れて、が後ろの扉にぶつかり、盛大な音をたてて倒れた。
その音で楸瑛は我に返った。
目の前の光景に瞠目する。
・・・自分は今何を・・・。

殿・・・ッ」

楸瑛はに駆け寄った。
はむくりと体を起こした。

「・・・フフフッ。
別に私は気にしてません。元々こういう風にしてくれた方が分かりやすくて良い。
顔に傷が出来ようが責任とれとはいいませんから」
「しかし・・・」
「色男の自尊心に関わりますか?
なら私は女と見てくれなくて結構です。
それに私にも非はありましたしね・・・。貴方が本気で怒ってくれて良かった」
「・・・え・・・?」

『何事なのっ!?』

「・・・・?」

本館の方から走ってくる女の子には目を開いた。
秀麗と顔はそっくりだ。
でも纏っているのは藍色の・・・

「・・・あ・・・十三姫・・・」
「・・・十三って・・・。・・・まさかっ!!」

劉輝兄上の婚約者候補っ!?
楸瑛とが口を開く前に、十三姫が言った。

「ちょっ・・・楸瑛兄様・・・何してんのよ!」
「・・・え・・・」
「別れ話がこじれたからって叩く事なんてないじゃないっ。
サイテーよ!」
『・・・・・は?』

これにはもぽかーんとした。
呆気にとられる二人に対して十三姫は真剣だ。

・・・いや、確かに殴られたし、ある意味別れ話なのだが・・・(劉輝との)

「大丈夫、貴方っ!?
ほら、ちゃんと謝った?楸瑛兄様!」
「・・・え・・・あ・・・ごめんなさい」
「いえ、・・自業自得ですし・・・。
っていうか・・・別れ話ではないんですけど・・・。
あと、恋人同士とかそういう関係じゃないのでそこのところわかっていただければ・・・」

が苦笑していった。
十三姫は自分の勘違いに顔を赤らめる。

「え、あ・・・そうなのっ!?
なんか勘違いしちゃってごめんなさい」
「分かってもらえればそれでいいです」

は立ち上がって着物の裾を直した。
そしてまた楸瑛と向かいあう。

「劉輝兄上は、清苑兄上みたいに王たる貫禄がないかもしれないけど、私がいうわ、あのクソジジイも父上も認めてる。
劉輝兄上以上に賢君はいないっ。
だから・・・お願い。
あの方から離れていかないで・・・」
「・・・それは・・・」
「・・・ちょっと・・・またその話・・・!?」

十三姫はと楸瑛の間に割って入った。
きっと真正面から睨まれは一瞬だけ目を丸くした。

「誰だか知らないけど、楸瑛兄様は藍家に帰るのよ。
もう決まった事なんだからそれ以上楸瑛兄様の心を揺さぶらないで!
ただでさえ、雰囲気に流れやすい人なんだから」
「・・・えっ・・・ちょ・・・・」

凄い言われようだ。言い返せないところが悲しい。
後ろで二人を止めようとする楸瑛を無視して少女達の間で火花が散った。

「雰囲気に流されたのであろうと、“花”を受け取った以上それを破棄するなど前代未聞。
家の事を考えるなら、その誓いを最後まで守り通すのが筋ってものでしょう!?」
「藍家の地位はそんな事くらいでは動くはずないでしょう。
先代王ならともかく、紫家の地位がそんなに高く認識されていると思っているの?
王座争いで紫家への信頼はガタ落ちよ。
実質、この彩雲国で一番実権があるのは藍家。紅家も目じゃないわ」
「言ってくれるじゃないの・・・。
劉輝兄上の実力は父上を超えるわ。確実にね。
人材が揃い邪魔さえはいらなければ彩雲国は今まで以上に栄えることは見えたことよ。
若くして隠居しちゃってる当主様たちに今の兄上の頑張りを見習って欲しいことね」
「強運で勝ち取った棚ボタ即位の甘ちゃん王と兄上を並べないで欲しいわ!
格が違うのよ、格が。
それに貴方どこの誰か知らないけど偉そうなのよ。
もう少し敬ってくれる?」
「ごめんなさい?人を敬うってことを知らずに育ってきましたもので。
敬って欲しければそれなりの態度と、気品を出してくださる?
そうしたら礼の一つでもとってあげるわよ。
貴方が藍家の姫とは信じ難いわよ。
可愛げもなければ、品もなし。
相当、苦労なされたようね」

十三姫はをキッと睨んだ。
は余裕の笑みで紫家譲りの扇をばっと開いた。
扇の先についている玉に十三姫は目を細めた。
そしてその扇の柄と形状を見る。

「・・・へぇ・・・。
偽姫様ってところかしら?
でもどう見ても庶民にしか見えないわよ。
この前来た公子様とお似合い」
「・・・まさか兄上の嫁候補がこんなお嬢様だとは・・・。
もう少し、美姫なら考えてあげてもよかったけれど・・・ね。豆粒程度に。
兄上にはもう意中の人がいるから貴方はお役御免。
折角来て頂いたところ申し訳ないけど、適当に紫州観光でもして藍州に帰っていただける?
貴方ならまぁもらってくれる物好きも一人はいるんじゃない?」
「言わせておけば失礼も程があるわよ。
あの元公子といい、貴方といいどうして紫家の人間はそんなに面が厚いわけ!?
そのようでは主上の器も知れたものね。
少しでも期待した私が馬鹿だったわ。
まぁ私は兄上達の命がなければいくらつまれてもこんなところには嫁ぐ気になんてならないけど」

・・・怖・・・・。

とりあえず十三姫を止めようと手を伸ばした楸瑛だがその手は空気を掴んで終わった。
二人の少女の気迫に負けて動けない。
元から言いたい事は言う子だとは思っていたが、ここまでとは。
も負けていない。元公子様との血の繋がりははっきりと見てとれた。
ここで自分が手を出すと矛先が自分に向けられる。
そんな自殺行為誰がするか。
ヘタレというなら勝手にしろ。
私は自分が可愛い。

「その腰にあるのは・・・飾りではないでしょうね」

十三姫がの腰にある短剣に目をつけた。
はニヤリと笑う。

「勿論よ。使ってこそ価値がある。
そこらの雑魚と一緒にしないで」
「なら・・・手っ取り早く決めようじゃないの」

十三姫も腰にある剣を抜いた。
もその仕草を見て満足そうに微笑んだ。

「言い争っているより早く決着がつきそうでいいわね」
「ちょっ・・・二人共・・・」

楸瑛が止める間もなくと十三姫は庭に下りた。
静かに対峙する二人を楸瑛は止める事を諦め傍観体制に入った。

・・・っていうか何故こんなことに・・・?


は短剣を抜いて手でくるくると回しながら言った。

「・・・少しの傷ぐらいは勘弁してね」

十三姫も小太刀を抜く。

「そっちこそ、わざと傷つけられるような真似してこっちに請求回さないでね」
「そんなセコい事私はしないわよ。
まぁそちらが傷つけられるかが問題だと思うけど?」

一通り言い終わったところで二人は向かい合う。
そして一拍の後二人は同時に動いた。

『いざっ!!』

金属のぶつかる音が周囲に響く。
楸瑛は状況を忘れて感嘆の声を上げた。
これなら二人共羽林軍の精鋭部隊に入れるだろう。かなり余裕で。
これが女性というのが残念だ。
即大将軍の勧誘の対象であろうに・・・

しかし・・・この二人が藍家と紫家の令嬢とは・・・世の中どうなってきたのだろう。

久しぶりの好手には戦いに手ごたえを感じていた。
やはり大将軍達とは戦いやすさがまるで違う。
しかし兇手と渡り合ってきたの相手にはまだ早いようだ。

が短剣を一閃する。丁度十三姫の紙紐に当たり、黒髪が宙に舞った。
十三姫は舌打ちをし、と間合いを取った。
しかしの間合いをつめる速さは並ではなかった。

「もらったっ!!」
「・・・くっ・・・」

十三姫は回転して回避する。そして反撃とばかりにに足払いをかけた。

「・・・なっ・・・」

が身体の均衡を失った一瞬をついて十三姫が小太刀を振るった。

重い金属音。

二人の手から獲物が同時に離れた。

「・・・チッ・・・」

二人は一瞬睨みあう。
そして一拍の後、二人共笑い出した。

「・・・あはははっ・・・やるわね貴方」
「貴方こそ強いじゃない。びっくりしたわ」

『・・・えー・・・』

最後には握手をして、この後お茶をしながら兵法を語り合う約束をしている女の子二人に楸瑛は開いた口が塞がらなかった。
なんだろう、この少年漫画的な展開は。
二人はこの国で一、二を争えるほどの姫であるのに・・・

そんな楸瑛をおいて、をつれて十三姫は室にいってしまった。

・・・自分の話はどうなったのだろう。

これ以上に責められるのは心理的に辛いものがあるが、途中で放置されるのもまた悲しさが胸に沁みた。
構ってもらえるだけ幸せなのだろうか。



「ということで、また朝廷で会ったら仲良くしてね」
「まぁ、兄上の嫁になるということは抜きにして、結構後宮も悪くないところらしいわよ。
安心していらっしゃい」

結局と十三姫はこれまで以上の熱い友情を手に入れてがっちり握手で別れた。

「・・・藍将軍・・・」

の帰りにあわせて楸瑛も見送りにきてくれた。
はもう一度楸瑛に向き合った。

「本当に・・・すまなかったね」
「私にも非がありました。
どうしても腑に落ちないというのでしたら・・・」

は楸瑛を手招きした。
楸瑛がに近づくとは腕を思い切り振りかぶった。

パンッ

乾いた音が周囲に響いた。

「・・・っ」
「これでおあいこという事で・・・」
「君って・・・結構・・・いやかなり容赦ないよね・・・」

徐々に赤くなる頬を抑えながら楸瑛はいった。
こんなに痛い平手打ちをくらったのは初めてだ。親にも殴られた事無いのに。

「まぁ怒ってるものは怒ってますし・・・?
・・・藍将軍・・・」
「なんだい?」
「もう少し素敵な方だと思ってました。
・・・残念です」

は礼をとって、歩き出した。


「あーあ・・・楸瑛兄様ふられちゃったね。
良い子だったのにな。私は好きだよ」
「別に殿と付き合った覚えはないのだが・・・
あーでも一回だけ求婚申し込まれた。彼女は思いきり酒によってたけどね」
「へー、それにつけこんで、やらしい事してないでしょうね」
「する前に龍蓮に取られたよ」
「・・・龍蓮兄様に・・・?」

っていうかあの人が貴陽に来ていたのか。
国試を受けたという話は聞いたけど・・・

「・・・ということは龍蓮兄様がを狙ってるって事?」
「・・・本人は相当本気のようだけどね。
藍家の当主になってもいいとまでいったよ」

それには十三姫も驚いた。

「マジでっ!?」

あの世俗には無関心の龍蓮が、藍家の当主になっていいと・・・

「・・・それは三兄様にいったの?」
「いうわけないだろう。
必要となれば龍蓮が直接赴くだろう。
私が間に入る必要などどこにもないよ。
さて、少し風が出てきたし中に入ろう」
「ねぇ、是非龍蓮兄様との結婚話勧めて!
が妹になるのは大歓迎!」

・・・十三姫が劉輝と結婚してもは妹になるじゃん。
楸瑛はそう思ったが口には出さなかった。

「それにしても兄様。
しっかり手形残ってるわよ。色男台無し」
「言ってくれるな・・・。
さっき殴りあいにならなくて良かったと本気で思ったよ。
殿、あの子・・・敵に回すと危険だね
・・・静蘭よりもずっと・・・」


   


ーあとがきー

楸瑛いじめるつもりが十三姫と本格バトルをしてしまった。
計算してないぞ!(でも面白かった!)

ってか最近夢主、舌戦(過去清雅と)と肉体戦(大将軍)しかしてねぇ・・・。恋愛の欠片もない・・・。
えっと・・・あれです。

傾向として少年漫画的展開で推して参る(ぉ)

ぶっちゃけ舌戦書くのが楽しくてしょうがない。
頭の悪さが凄い出てますがね。もっと高レベルな言い合いを・・・(orz)
元々藍姫はタカビーを予測してたのでこんな展開にしたかったのですよ。

そんなテンションで今後もお送りしたいと思います。

なんか展開早いですが戸部と原作は全然関係ないのでそろそろクライマックス・・・?


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